メルカリが補償制度を刷新し信頼回復を図る

浅川 涼花
经过
読了目安: 5 分

新制度で被害時の「全額補償」が可能に

フリマアプリ大手のメルカリは5月21日、不正利用やトラブルに関する対策を強化する新たな方針を公表した。主な柱は、購入代金や販売利益をすべて補償する「全額補償サポートプログラム」、真贋判定のための「メルカリ鑑定センター」の設置、そしてAIを用いた不正行為の検知強化の3点となる。

AIで不正利用者をスコア化し排除へ

AIによる行動解析を通じて、不正の兆候を数値化する仕組みが強化される。リスクが高いと判断されたアカウントには、アカウント停止や法的手続きを含む対応が行われる予定だ。手法がより巧妙化する現在、AIの精度と迅速性が対策の要となっている。

鑑定センター設置で偽ブランド撲滅狙う

9月に始動予定の「メルカリ鑑定センター」は、ブランド品の真贋を専門に取り扱う拠点として設けられる。対象商品の拡大や一部商品の鑑定義務化も視野に入れており、安心して売買できる環境づくりを目指す。

不正被害者には全額補償を約束

7月に導入される「全額補償サポートプログラム」では、トラブルに巻き込まれた購入者や出品者に対し、金銭的損失を全額カバーする。補償の詳細については別途ガイドラインを公開する予定だ。

信頼回復に向けて透明性の確保も推進

メルカリは今後、対策の効果を数値で示す「透明性レポート」を発行する方針で、初回は8月を予定。背景には、2024年11月に発生したトラブル対応の不備に対する批判がある。メルカリは「社会的責任の自覚」を掲げ、安全性の向上を急ぐ。

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