トランプ政権、対中交渉を強化 戦略資源が鍵握る

浅川 涼花
经过
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米財務・通商部門の幹部がロンドンに集結

6月9日、ロンドンにて開催された米中貿易協議には、米国からベセント財務長官とグリアUSTR代表に加え、新たにラトニック商務長官も参加。中国側は副首相の何立峰氏が出席し、協議は6時間以上に及んだ。これは5月のジュネーブ会談に続く2度目の閣僚級協議となる。

中国の資源支配が交渉の核心に

最大の焦点は、中国が圧倒的なシェアを誇るレアアースの輸出政策にある。全世界の約7割を中国が生産しており、その供給制限は半導体、自動車、スマートデバイスといった各産業に深刻な影響を与える。こうした構造的リスクへの対処が急務とされている。

大統領発言ににじむ対中圧力の構え

同日、トランプ大統領は記者団に対し、「中国との関係は順調だが、簡単な交渉相手ではない」と述べ、経済関係の再構築を目指す意志を示した。また、「中国市場を開放させることで、グローバル経済に好影響を与える」と語り、強い交渉姿勢を維持している。

協議は10日に続行 妥結への道筋は不透明

今回の会談は1日では結論に至らず、10日も引き続き行われる。双方の立場には依然として隔たりがあり、特に資源問題において実質的な合意が得られるかは不明。だが、対話継続の意思が示されたこと自体に一定の意義があるとされる。

世界経済と産業界が注視する交渉の行方

レアアースは国際的な競争力を左右する資源であり、今後の米中協議の結果が国際市場に与える影響は計り知れない。特に欧米の産業界は中国依存からの脱却を図っており、今後の動向は政策判断にも直結する。

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