南アからの白人受け入れで政権に注目集まる
アメリカのトランプ政権は、南アフリカにおける白人住民の人権状況を問題視し、難民としての受け入れを開始した。5月12日には、第1陣の約60人がワシントン郊外の空港に到着し、政府関係者が歓迎に立ち会った。
土地収用政策を巡る南ア政府との対立が発端
背景には、南アフリカ政府が1月に打ち出した土地の収用政策がある。トランプ政権は、これを白人農業従事者への差別的な措置と捉え、米国の援助凍結という形で対抗措置を取っていた。今回の難民受け入れは、その延長線上にあるとみられている。
難民受け入れを巡る政策の一貫性に疑問
ただし、トランプ政権は不法移民の排除と難民受け入れ制限を掲げてきた。これまで中南米や中東諸国からの難民を拒否してきたにもかかわらず、南アフリカの白人に限った受け入れには、政権の姿勢に一貫性を欠くとの批判が起きている。
トランプ氏「人種の問題ではない」と正当化
ホワイトハウスでの取材に対し、トランプ大統領は「人々が殺されている。これは人種の問題ではなく、現地の惨状が問題だ」と語り、受け入れの正当性を強調した。
民主党は「特別扱い」として強く反発
野党・民主党は、「真の危機にある他国の難民を追い返す一方で、南アからの特定人種のみを受け入れるのは差別的だ」と非難。議会内外で人道的観点と政策の整合性を問う声が強まっている。