トランプ発言が市場を冷やす 日経平均、494円安で着地

浅川 涼花
经过
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政治リスクが意識され東京市場に売り波及

2025年6月2日、東京株式市場は大幅続落し、日経平均株価は37,470円で取引を終えた。下落幅は494円に達し、政治発言を契機としたリスク回避の動きが強まった。特にハイテク株に対する売り圧力が目立った。

SNS投稿が招いた不透明感

きっかけは、5月30日にトランプ大統領がSNSに投稿した中国批判の発言だった。米中間の貿易合意が破棄されたとの発言が拡散し、市場は地政学的リスクの高まりを警戒。これにより投資家はハイテク株を中心にポジション調整に動いた。

米国市場の安心感も相殺される展開

前週末の米市場では、4月のPCE物価指数が前年同月比2.1%上昇と予想を下回り、インフレ懸念が後退した。ダウ平均は小幅ながら上昇したが、米中対立の激化がそれを打ち消す結果となった。S&P500種指数やナスダック指数も弱含みで取引を終えている。

日本株に利益確定売りも加わる

米国株の安定にもかかわらず、東京市場では目先筋による利食い売りが広がった。とくに先週まで上昇基調にあった半導体関連株などには大きな売りが出て、株価の下押し圧力が強まった。投資家の警戒姿勢が強く現れた一日となった。

チャート分析から見る下支え水準

テクニカル面では、25日移動平均線(37,196円)が下値支持として意識されている。大幅安の中でも、トピックスは比較的落ち着いた動きを見せており、市場全体の基調が一気に崩れる状況ではないとの見方も一部にある。

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