ドル高と債券利回り上昇が株安を誘発

浅川 涼花
经过
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株式市場は金利と財政動向に反応

28日の米株市場では、財政赤字拡大と金利の先行きに対する警戒感が強まり、ダウは244ドル安となった。投資家はリスクを回避する動きを強め、安全資産である米国債やドルへと資金を振り向けた。

米ドル堅調、ユーロと円は下落基調

外国為替市場ではドルが買われ、ドル指数は99.92へと0.39%上昇。ユーロドルは0.35%下落し1.1288ドル、ドル円は144.8円となった。日本では40年国債の需要減退が円売り圧力となった。

政策方針に新味なく、市場は冷静に反応

FRBが28日に開示したFOMCの会合記録では、物価上昇と雇用の両立が難題となる可能性が示されたものの、市場への波及効果は限定的だった。文書の内容は市場の事前予想と大差なく、政策スタンスにも目新しさは見られなかった。

債券市場では5年債が注目の的に

700億ドルに上る米5年国債の発行に対しては、予想を超える関心が寄せられた。なかでも外国勢を含む間接的な買い手の割合が78.4%と、これまでにない高さを示し、その結果として利回りの上昇も和らいだ。

長期債利回りの変動が市場全体に波及

10年物米国債の利回りは一時4.501%まで上昇したが、最終的には伸び悩んだ。加えて、2年債および30年債もそろって上昇し、債券利回りの動きが株式市場に波及する形となった。

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