原油下落で広がる利下げ期待
米国時間6月16日、株式市場は反発し、主要指数が上昇して取引を終えた。原油価格が北海ブレント先物・米WTI先物ともに1%以上値を下げたことにより、インフレ圧力が緩和。これを受けて、市場ではFRBによる9月の利下げ期待が広がっており、25ベーシスポイントの利下げ確率は61.1%まで上昇している。
テクノロジー株が市場全体を押し上げ
半導体関連株の上昇が著しく、AMDは目標株価の引き上げを材料に8.8%高となった。これにより、フィラデルフィア半導体指数も堅調に推移し、テクノロジー分野が市場を支える展開となった。ナスダック総合指数は今月最大の上昇率を記録し、投資家のリスク選好姿勢が回復しつつあることを示している。
トランプ新事業が運送株を刺激
トランプ大統領の一族が手がけるトランプ・モバイルの立ち上げも話題となり、物流大手のUPSとフェデックスが1.1%上昇した。同社が両社を配送パートナーに選定したとの報道が材料視され、政治・経済の連動性が再び意識された。
米企業買収に政権の影響色濃く
USスチールの株価は、日本製鉄による買収がトランプ大統領に承認されたという報道を受けて5.1%上昇した。外資による買収が政治的に認められたことで、今後の米製造業再編にも影響を及ぼす可能性があるとの見方がある。
取引量はやや低調ながら広範な買い
この日の取引量は17億8,600万株で、直近20営業日の平均である18億1,400万株をやや下回ったものの、ニューヨーク証券取引所およびナスダック市場では値上がり銘柄数がそれぞれ2倍近くに達し、幅広い買いが入ったことが確認された。