投資家心理が改善し幅広い買いが波及
9日の東京株式市場は週明けから堅調な展開となり、日経平均は346円高の3万8088円まで上昇した。米国株の上昇を背景に、投資家心理が改善し、買い戻しが優勢となった。S&P500やナスダックが節目を上抜けた流れが国内市場にも波及した。
為替の変動が相場にプラスの影響を与えた
為替市場ではドル高円安の流れが鮮明となり、東京市場ではこれが株価上昇の下支えとなった。特に外需依存度の高い企業群にとっては、為替の追い風が大きく作用した。
成長株を中心に幅広い業種で買い優勢に
電気機器、通信、医薬品など幅広いセクターで上昇が見られ、日経平均は高値圏を維持した。大型成長株への資金シフトが継続しており、NECやアドテストなどの半導体関連も買いを集めた。
経済指標や企業ニュースも相場を支援
国内ではGDPの上方修正が発表され、経済の回復基調が意識された。また、腎臓病薬治験の中間結果を好感した大塚HDが急伸したほか、ソフトバンクグループも買い材料に反応し、堅調に推移した。
節目突破後の調整圧力にも留意が必要
日経平均は心理的節目を上抜けたことで短期的な利益確定売りが出やすくなっている。後場には伸び悩む場面も見られ、投資家の間では次の上昇局面への慎重な見方も出始めている。全体の売買代金は依然3兆円台にとどまり、明確なトレンド転換とは言い切れない状況だ。