円安効果で製造業に資金流入、株価を下支え
2025年5月20日の日経平均株価は3日続伸し、3万7498.63円で取引を終えた。前日比253.91円高となり、円安効果を背景に製造業を中心に買いが入った。投資家は為替の動向を手がかりに、業績期待の高い輸出企業に注目した。
特に自動車、機械、電機の各業種では買い注文が集中し、東証プライム市場でも出来高が増加した。
米国経済指標が世界の景気懸念を後退させる
米国の住宅着工件数や小売売上高が予想を上回り、世界経済の減速懸念を和らげた。これにより、アジア市場や欧州市場でも株価は堅調に推移し、日本市場にも好影響を与えた。
米ナスダック指数の上昇が、国内の半導体関連銘柄への買いを誘発したとの指摘もある。
決算発表後の企業戦略に市場の注目が集まる
日本企業の2025年3月期決算では、総じて収益は堅調だったが、来期に向けた見通しでは慎重な姿勢が目立つ。特に、トランプ政権による関税政策の影響を織り込んだうえで、海外市場に依存する企業ほどガイダンスを控えめにしている。
投資家は売上や利益だけでなく、今後の成長性やコスト構造改善の明確さを評価軸としている。
為替の変動と資源価格の行方に引き続き警戒
円相場は対ドルで155円台後半まで下落しており、円安が進む一方で、米国の利上げ期待がやや後退したことで為替の振れ幅が大きくなっている。この変動が株式市場にも波及し、先行き不透明な展開を誘っている。
加えて、エネルギー価格や資源価格の高止まりも、企業コストに影響を及ぼす要因として意識されている。
先行き不透明感の中、底堅さを維持
相場を押し上げる新たな材料に乏しい中でも、外部環境の改善や企業業績の支援を受けて、株価は底堅く推移している。日経平均は3万7500円目前の水準で落ち着き、次なる上昇局面を模索している。