投資家の慎重姿勢が市場に影響
2025年5月6日、米国株式市場は主要3指数が下落し、ダウ平均株価は389.83ドル(0.9%)下落して40,829ドルで取引を終えた。S&P 500とナスダック総合指数もそれぞれ0.8%、0.9%下落した。これは、連邦準備制度理事会(FRB)の政策決定を控えた投資家の慎重な姿勢が影響している。
医薬品株の下落がダウ平均に影響
MerckとAmgenの株価がそれぞれ4.6%、3.6%下落し、ダウ平均株価の下落に大きく寄与した。これらの医薬品株の下落は、業績見通しの不透明感や市場全体のリスク回避の動きと関連している。
市場の動揺に伴い、資金は防御的資産に流入
経済指標や地政学的リスクへの警戒感が広がるなか、投資家はより安定した資産への移行を加速させている。年初から金の価格は30%の上昇を見せ、安全資産とされる長期米国債への需要も高まり、利回りは低下傾向にある。こうした傾向は、市場参加者の間でリスク資産への警戒感が一段と強まっていることを裏付けている。
対外収支の悪化が経済見通しに影を落とす
2025年3月の米国の貿易赤字は1,405億ドルに達し、記録的な水準に膨らんだ。輸入超過の加速は、企業の業績への圧力となり、経済成長の鈍化懸念を招いている。こうしたマクロ経済の悪材料が、株式市場の下押し要因として意識され、投資家心理に冷え込みをもたらしている。
FRBの政策決定が市場の焦点に
FRBは、5月7日に政策金利の決定を予定しており、市場はその内容に注目している。インフレや関税の影響を考慮し、FRBの対応が今後の市場動向に大きな影響を与えると見られている。