
外資ファンドが取締役人事で株主提案を提出
米系ファンドのダルトンがフジ・メディア・ホールディングス(FMH)に対し、外部人材12名を新たに取締役に加える議案を次回株主総会で提出する方針を明らかにした。SBIホールディングスの北尾吉孝氏らを含む顔ぶれは、経営体制の抜本的な見直しとガバナンス強化を目的としている。
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日枝体制の終焉を転機に、経営刷新を要求
株主提案では、FMHの長年続いた旧体制により、経営判断の硬直化や外部人材の登用遅れが顕著であると指摘されている。現在の取締役構成に対し「刷新には不十分」と批判。フジテレビを象徴するスローガン「面白くなければテレビじゃない」の精神に立ち返り、再興を目指す姿勢を打ち出した。
経営課題の整理と構造改革の提案
提案内容には、経営課題の4本柱が示されている。まず、社外人材を含むガバナンス体制の再構築。不動産部門を本体から切り離すスピンオフ施策。政策保有株の速やかな解消。そしてフジテレビのメディア事業の抜本的見直しと収益化戦略だ。これらを一貫して推進できる取締役陣の必要性を強調している。
フジテレビ再生の鍵はコンテンツ力と流通強化
かつてドラマやバラエティの分野で先頭を走ったフジテレビは、視聴率の低迷とともに制作力の低下が指摘されている。提案では、若手育成や制作現場の自立性向上、SVODやグローバル配信との連携により、新たな価値創出が可能とされる。過去の資産を活用しつつ、国際展開にも注力すべきだと訴えている。
取締役刷新は親会社にとどまらず子会社へ波及も
この提案はFMHに向けたものだが、取締役会を通じて子会社であるフジテレビの経営陣にも影響を与える可能性がある。株主提案に記された狙いは、旧体制からの脱却と、時代に即した経営判断を可能にする柔軟な組織作りにある。今後の株主総会における議論の行方に注目が集まっている。