
生成AIの導入で企業の投資対効果に明確な差
AIデータクラウド企業Snowflakeが4月16日に公表した調査によると、AIを積極的に活用する企業の92%が、既に投資対効果(ROI)を実感していることが明らかになった。一方で、導入初期段階にある国ではROIが低く、日本は30%と9カ国中最も低い数値を示した。
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日本ではユースケース不足とスキルが課題に
調査によれば、日本における企業の半数近くが、生成AIの具体的な活用方法をまだ見出せていないと回答しており、特に導入に向けた実用的な事例の少なさや、技術人材の不足が障壁となっている。これにより、日本のAI導入は慎重で段階的な進行にとどまっている実態が浮かび上がった。
他国と比較して明確な導入の遅れ
各国のROIは、オーストラリア・ニュージーランドで44%、米国で43%、韓国で41%と高水準を記録。一方、日本では、RAGの活用や自社データによるファインチューニングの割合が他国平均を下回り、生成AIの基盤整備に遅れがあることが示された。
投資判断におけるリスク認識の高まり
企業の71%が「誤ったユースケースの選定が市場での競争力を損なう」と回答しており、導入の判断に大きなプレッシャーを抱えている様子も明らかとなった。また、59%が「不適切な提案で職を失う恐れがある」としており、個人レベルでもリスク意識が高い。
効果を最大化するためのデータ戦略の重要性
AI技術を業務に根付かせるためには、データ基盤の整備が避けて通れない課題となっている。複数のデータソースを統一的に管理する体制や、情報の正確性を保つ監視体制、適切なガバナンス構造の構築が不十分な点として挙げられた。Snowflakeは、こうした問題を解消する手段として、統合されたデータプラットフォームの導入を提案している。