AI技術が介護現場に導入される背景
高齢化社会が進行する日本において、介護現場では慢性的な人手不足と利用者の孤立防止が課題となっている。こうした中、スターダストプロモーションは「AI野々村真」を通じて、デジタル技術での解決を提示した。この取り組みは、音声と表情で自然に会話ができるデジタルヒューマンを介護施設に導入することを目的としている。
実証実験による効果と現場の声
昨年度、4つの介護施設で「AI野々村真」を用いた実証が行われ、対話を通じて高齢者が昔の思い出を語り出す様子が見受けられた。利用者からは「毎日話すのが楽しみ」「自然と笑顔が出る」といった前向きな反応が寄せられ、心理的なサポートとしての可能性が浮かび上がった。
技術開発とユーザーインターフェースの進化
アスピレテックとの協力により、応答速度の向上やより滑らかな動作表現が実現した。音声も本人に近い自然な発声となっており、ブラウザ環境さえあれば利用可能なため、導入のハードルも低い。生成AIの最新技術を取り入れ、ユーザーごとに適したテンポでの応答が可能になっている。
万博での一般公開と展示の詳細
本技術は、6月21日から29日まで開催される大阪・関西万博の「HEALTH DESIGN」パビリオンに出展される。展示会場では、ブース8にて来場者が実際に対話を体験できる場が設けられており、未来型介護の一端を体感できる内容となっている。
タレントとの連携が生む新たな価値
野々村真氏の起用により、親近感のあるアバターが実現し、高齢者の関心を引きやすくなっている。本人も「息子のように話しかけてほしい」とコメントしており、芸能とテクノロジーの融合が介護の現場に新たな可能性をもたらしている。今後もこの分野での発展が注目される。