定年後の挑戦を後押し 三菱電機が再雇用制度を刷新

小野寺 佳乃
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豊富な経験を活かす新たな仕組みを導入

三菱電機は2026年度より、定年退職後に再雇用される社員向けの新制度「マスターキャリア制度」を導入すると発表した。年齢を問わず、再雇用者が実績に応じた評価を受けられる環境を整備し、自律的なキャリア継続を支援する。

実績重視の処遇体系に移行

新制度では、定年退職前と同様の等級制度および評価基準が再雇用者にも適用される。「成果評価」と「行動評価」の両軸により、発揮されたパフォーマンスを正確に反映する。給与と賞与もこれらの評価に連動し、処遇は最大で従来比125%まで引き上げ可能となる。

雇用期間の柔軟性を拡大

これまでの1年更新型契約を見直し、本人の希望に応じた年齢までの再雇用が可能となる。また、職務とのマッチングが成立すれば、65歳以降の継続雇用も視野に入る。これにより、ライフプランに応じた柔軟な働き方を実現する。

人的資本経営の方針を再雇用にも拡張

三菱電機は人的資本の活用を経営の柱とし、キャリアオーナーシップの推進を掲げている。再雇用者にも同様の理念を適用し、長期にわたる組織貢献を促す方針だ。企業全体として年功序列を廃し、能力と実績を基軸に据えた人事運用を強化している。

多様な人材活用による企業価値の向上を目指す

今後は、再雇用者の挑戦意欲を支援する制度の整備を通じて、三菱電機グループ全体での成長を図る。人材の多様性を尊重し、それぞれの知見と経験を事業の力に変えることで、持続的な企業価値向上を目指す方針である。

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