制度見直しを進める政府方針が判明
政府は、旅券制度の見直しを通じて国民の海外渡航環境を整備する方針を示した。茂木敏充外相は記者会見で、来年の通常国会に旅券法改正案を提出し、2026年7月からの実施を目指すと説明した。制度改正は、発行手数料の負担軽減を軸とする内容となる。
10年用旅券の発行料を大幅に引き下げ
18歳以上が取得できる10年用パスポートについては、発行手数料を約9000円に設定する方針が示された。現行水準からは約7000円の引き下げとなる。政府は、金銭的な負担が渡航の障壁になっているとの指摘を踏まえ、価格設定の見直しに踏み切ったとしている。
5年用旅券は年齢区分を再整理
5年用パスポートについては制度を再構築する。18歳以上向けの5年用は廃止し、18歳未満を対象とした制度に一本化する。新たな手数料は約4500円とされ、年少者の取得負担を軽減する狙いがある。従来の年齢別料金体系は見直される。
出国税引き上げとの負担調整
政府は同時に、国際観光旅客税の引き上げを検討している。現在1人1000円の税額を、3000円程度に引き上げる方向で調整が進む。日本人にも課税されるため、パスポート手数料の引き下げによって全体的な負担水準を調整する考えだ。
保有率低下への対応としての制度改革
外務省によると、日本のパスポート保有率はコロナ禍前の2019年で24.2%だったが、2024年には17.8%まで低下した。政府は今回の制度改革を通じて、取得の心理的・経済的障壁を下げ、保有率の回復につなげる方針としている。