経営再建計画の全体像と政府認定
東京電力ホールディングスは1月26日、新たな経営再建の指針となる第5次総合特別事業計画を公表した。同計画は同日、政府の正式な認定を受けており、大幅な見直しは2021年8月以来、約4年半ぶりとなる。福島第1原発事故後の長期的な財務負担を背景に、経営の持続性を重視した内容となっている。
協業とアライアンスによる成長投資戦略
計画の柱の一つが、外部企業との協業や第三者アライアンスの推進である。データセンターや脱炭素関連分野での電力需要拡大を取り込むため、自社単独では難しい成長投資資金の確保を外部連携で補う。提携先について条件は設けず、必要に応じて事業構造の見直しも視野に入れる姿勢を示している。
10年間で3兆円超のコスト削減策
経営合理化では、人件費や設備投資の見直しなどを通じ、2025~2034年度の累計で約3兆1千億円のコスト削減を目標に掲げた。投資計画と費用構造を精査し、収益性を重視した経営体制への転換を進めることで、将来的なキャッシュフロー改善につなげる狙いがある。
資産売却と財務基盤の立て直し
財務面では、原則3年以内に株式や不動産など約2千億円規模の資産売却を行う方針を明記した。これにより、有利子負債の圧縮と資金繰りの安定化を図る。廃炉や賠償に伴う巨額負担を抱える中でも、必要な経営資源を確保することが目的となっている。
原発再稼働を織り込んだ収支見通し
収支計画では、柏崎刈羽原発6号機に加え、7号機の再稼働を想定している。原子炉1基あたり年間約1千億円の収支改善効果を見込み、2035年3月期には約2998億円の最終黒字を計画した。再稼働時期は未定としつつも、影響は限定的との見解を示している。