台湾輸出構造が転換、米国向け首位で26年ぶり逆転

浅川 涼花
经过
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貿易統計が示した輸出先構成の変化

台湾政府が公表した2025年の貿易統計で、輸出先別の構成に大きな変化が確認された。米国向け輸出の比率は30.9%に達し、中国(香港を含む)の26.6%を上回った。輸出先の首位が入れ替わるのは1999年以来で、長年続いた構図が転換点を迎えた形となる。数値上でも両国の差は明確で、米国の存在感が際立っている。

米国向け輸出額が中国を上回る結果

金額ベースで見ると、台湾の対米輸出額は1982億ドルに達し、中国向けの1704億ドルを超えた。差は約280億ドル規模に広がり、単なる比率の変化にとどまらない実態を示している。輸出の中身では、情報通信機器や電子部品の増加が全体を押し上げた。高付加価値製品が主力となっている点が特徴だ。

中国依存の低下と地政学的背景

台湾経済はこれまで中国との結び付きが強かったが、状況は変化している。中国指導部による台湾への軍事的圧力の強まりを受け、経済面でも対中依存を抑える動きが進んだ。輸出構造の変化は、こうした政治・安全保障環境と無関係ではない。貿易データは、台湾が経済関係の軸足を調整している現状を映し出している。

半導体と電子部品が輸出をけん引

台湾産業の中核を担うのが半導体分野であり、輸出構成でも情報通信機器や電子部品が圧倒的な比重を占める。特に米国市場では先端分野向けの需要が拡大し、台湾製品の存在感が高まった。半導体受託生産で世界最大手の**台湾積体電路製造(TSMC)**は、米国企業を主要顧客としており、輸出増加の象徴的存在となっている。

米国市場重視が鮮明になった台湾経済

今回の統計は、台湾経済が米国市場との結び付きを一段と強めていることを示した。AI関連分野を中心としたハイテク需要の拡大が、輸出の方向性を決定付けている。中国向け輸出が依然として大きな規模を持つ一方で、成長の軸が米国へ移行している構図が明確になった。

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