構造改革の進展と人員削減拡大
パナソニックホールディングスは、構造改革を加速させる中で、国内外の人員削減規模が1万2000人に達する見通しを示した。2025年5月時点では1万人規模としていたが、実際には早期退職の応募が想定を上回った。対象は主に産業用機器や電子部品を担う事業会社で、グループ全体に及ぶ対応となっている。
純利益予想の下方修正と費用増
人員削減の拡大により、退職金などの構造改革費用は1500億円から1800億円へ増加した。この影響を受け、2026年3月期の連結純利益は2400億円と、従来予想を200億円下回る水準に修正された。営業利益も2900億円とされ、費用負担が収益を圧迫する構図が明確になった。
売上動向に表れた事業の明暗
2026年3月期の売上高見通しは7兆7000億円と、前期比で約9%の減少が見込まれている。生成AI向けデータセンターで使用される蓄電システムや航空関連機器は堅調だったが、海外市場での家電販売が低迷し、全体を押し下げた。事業間での成長格差が鮮明になっている。
成長分野への投資と生産体制
同社は成長分野として位置づける蓄電システム事業において、メキシコで新たな組み立て工場を建設すると発表した。既存工場の増産と並行し、2028年度に売上高8000億円を目標に掲げる。再編と投資を同時に進める戦略が示された。
再建効果と今後の収益改善見通し
人員削減の拡大により、2027年3月期の収益改善効果は1450億円と、従来想定を上回る見込みとなった。短期的には業績下押し要因となるが、中期的には収益体質の強化につなげる狙いがある。構造改革の成否が、次の成長段階を左右する局面に入った。