米国圧力下で浮上するウクライナ投票構想

嶋田 拓磨
经过
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和平合意と選挙計画の検討

英紙フィナンシャル・タイムズは2月11日、ゼレンスキー大統領がロシアとの和平合意を問う国民投票と大統領選の実施計画を2月24日に発表することを検討していると報じた。全面侵攻から4年の節目にあたる日付であり、戦争と政治の両面で転機となる可能性がある。報道はウクライナおよび西側当局者の証言を引用している。

米政権の期限提示と背景

米国は両投票を5月15日までに実施するよう求めているとされる。期限までに実現しなければ、停戦後に予定される「安全の保証」が失われるリスクがあるという。トランプ政権はロシアとの戦闘を6月までに終結させる工程表を求めているとされ、具体的な政治日程の提示を促している。

合意形成の不透明さ

しかし、和平条件はなお確定していない。領土の扱いを含む主要論点で、ウクライナと米国の立場に差があると伝えられる。交渉が継続中であるため、米国の要請通りに投票を行う可能性は高くないとの見解も示されている。合意内容が整わなければ、国民の判断材料が不足する。

安全確保と投票環境の課題

戦闘が続く中での投票実施には複数の障害がある。投票所の安全確保に加え、前線の兵士や国外避難中の市民の権利保障が求められる。ウクライナ大統領府の幹部は、地元メディアに対し安全が確保されない限り発表は行わないと説明した。実務的な準備も含め、環境整備が前提となる。

任期延長下での政治判断

ゼレンスキー氏は2019年5月に就任し、任期は戦時体制のため延長されている。侵攻下で延期されてきた大統領選をどの時点で再開するかは、国内外の政治日程に直結する。和平交渉の進展と選挙実施の可否が、今後のウクライナ情勢を左右する要素となる。

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