世界経済分析結果を公表
内閣府は2月17日、報告書「世界経済の潮流」を発表した。米国経済について、トランプ政権による高関税措置の影響は事前の懸念より小さかったと整理した。関税導入当初は物価上昇や消費減退が警戒されたが、実際の影響は限定的だったと分析している。
物価上昇は小幅にとどまる
2025年1月を100とした場合、同年12月時点で中間財の企業間価格は104.0へ上昇した。一方、消費者が直面する物価指数は101.1にとどまり、上昇幅は抑制された。関税分の価格転嫁が十分に進まなかったことが背景にある。
卸売業がコスト吸収
関税負担の増加分は主に卸売業者が引き受けた。業種別収益指数(2024年=100)では、2025年7〜9月期に製造業が100.1、小売業が98.4だったのに対し、卸売業は70.2まで低下した。消費者の価格上昇への反応が強まり、転嫁が難航した結果、企業収益を圧迫したと報告書は指摘した。
AI分野の需要拡大が景気を支える
景気の支えとなったのがAI分野への投資拡大である。半導体やコンピューター関連の需要増が米国経済を後押しした。台湾やメキシコは対米輸出を伸ばし、AI関連の設備投資が関税の影響を相殺したと分析した。
中国景気は緩やかな鈍化局面
報告書は中国について、個人消費の伸びが弱く、景気が緩やかに減速していると記した。米国ではAI投資と株高が高所得層の消費を刺激する一方、低所得層では購買意欲の低下がみられるとも分析している。移民政策の厳格化に伴う労働力減少も指摘された。