仏大統領、核戦力増強と欧州拡大方針を表明

滝本 梨帆
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欧州情勢の不安定化に対応

フランスのマクロン大統領は2026年3月2日、仏西部の海軍基地で核戦略に関する演説を行い、核弾頭の保有数を増やす方針を示した。国際環境が不安定さを増していると指摘し、抑止力の維持と強化が必要だと強調した。ロシアによるウクライナ侵略や中国の核戦力拡大に言及し、戦略的均衡の確保を理由に挙げた。

核弾頭数の増強と非公表化

フランスは現在およそ300発の核弾頭を保有しているとされるが、大統領は具体的な増加数には触れなかった。今後は保有数を公表しない方針も明らかにした。1990年代に540発を保有していた時期から削減を進めてきたが、情勢の変化を受けて方針を転換する形となる。

8か国と新抑止戦略を共有

新たな枠組みにはイギリス、ドイツ、ポーランド、オランダ、ベルギー、ギリシャ、スウェーデン、デンマークの8か国が参加する。共同で核演習を実施し、抑止力の信頼性を高める狙いがある。ポーランドのトゥスク首相は交流サイトで、防衛能力の強化を進めていると表明した。

戦闘機配備と基地提供構想

マクロン氏は、核兵器を搭載可能な仏戦闘機を参加国に展開する構想を示した。各国が空軍基地を提供する可能性もあると説明し、欧州大陸内部まで戦略空軍を展開できる体制を整える考えを示した。これにより潜在的な敵対国の判断を複雑化させる狙いがある。

NATO補完と欧州抑止の再定義

フランスとドイツは核抑止分野での協力強化を発表し、ドイツが仏の核演習に参加することで合意した。この協力はNATOの核抑止を代替するものではなく、補完的な位置付けとされる。核使用の最終決定権は引き続き仏大統領が保持する。欧州の安全保障における役割を明確化する動きといえる。

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