YKKAPに下請法違反の勧告 金型4997個を取引先へ無償保管させた問題

嶋田 拓磨
经过
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公取委が下請法違反認定し勧告

公正取引委員会は2026年3月10日、建材メーカーYKKAP(東京都千代田区)が委託先企業に金型を無償で保管させていたとして、下請法違反(不当な経済上の利益の提供要請)に該当すると認定し、再発防止を求める勧告を出した。

同社は窓や網戸、太陽光パネル関連部品の製造を外部業者に委託しており、委託先に貸し出した金型の管理が問題となった。公取委は、保管にかかる費用を支払わないまま長期間管理させていた点が下請企業の負担増につながると判断した。

委託先67社に金型4997個を保管

公取委によると、YKKAPは2024年2月から2026年1月までの期間、部品製造を依頼した67社に対し、貸与していた4997個の金型などを無償で保管させていた。

対象となった金型は窓枠や網戸部品などの製造に使用するもので、企業側が管理していた設備の一部である。本来は発注企業側が保管費用を負担する必要があるが、今回のケースでは費用支払いが行われていなかった。

公取委はこうした状況が、下請企業に経済的負担を負わせる行為に該当すると判断した。

最大450キロの大型金型も長期保管

金型の中には重さ約450キロに達する大型のものもあり、長さ約40センチ、幅45センチ、高さ29センチ程度のサイズの設備も含まれていた。

また、保管されていた金型の多くは長期間使用されておらず、1年以上発注がない状態が続いていたものもあった。古いものでは約35年間使われないまま保管されていた事例も確認されたという。

このような設備は倉庫スペースを占有するため、委託先企業にとって保管負担が大きいと指摘されている。

沖縄の子会社2社も同様の違反

今回の勧告はYKKAP本体だけでなく、沖縄県にある子会社「琉球YKKAP工業」と「YKKAP沖縄」にも及んだ。

公取委によると、琉球YKKAP工業は6社に計87個の金型を、YKKAP沖縄は1社に1個の金型を、それぞれ無償で保管させていた。

これらの行為についても、発注企業側が保管費用を負担していなかったことから、同様に下請法違反にあたると認定された。

保管費用支払いと再発防止を表明

YKKAPは公取委の調査を受け、委託先企業に対して約3414万円の保管費用を支払った。また、不要となった1784個の金型については廃棄処理を進めたとしている。

同社は公式コメントで「本勧告を厳粛に受け止め、コンプライアンスの強化と再発防止に取り組む」としている。公取委は今後、金型管理の適正化や社員への教育などを通じて再発防止策を徹底するよう求めている。

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