中東情勢で円安進行 一時159円台を記録

浅川 涼花
经过
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中東情勢緊迫でドル需要が拡大

12日の東京外国為替市場では、円相場が対ドルで下落し、円安ドル高が進んだ。午前の取引では一時1ドル=159円台前半を付け、約2カ月ぶりの円安水準となった。
背景には、米国とイスラエルによるイラン攻撃を巡る軍事衝突の激化がある。市場では地政学リスクの上昇を受け、国際金融市場で基軸通貨とされるドルを選好する動きが広がった。
安全資産としてのドル需要が高まり、円やユーロなど主要通貨に対するドル買いが優勢となった。

原油価格高騰が円売り圧力に

中東情勢の緊張が続く中、エネルギー市場でも価格上昇が目立った。日本時間12日の取引では、ニューヨーク原油先物が1バレル95ドル台に乗せる場面があった。
原油高は、資源の大半を輸入に依存する日本の貿易収支に影響を与えるとみられている。輸入額の増加により貿易赤字が拡大するとの見方が広がり、為替市場では円売りが強まりやすい構図となった。
原油価格の上昇が続けば、日本経済への負担増につながるとの懸念も市場参加者の間で意識された。

ホルムズ海峡周辺の緊張が市場を刺激

中東では、イランが米系金融機関を攻撃対象に含める可能性を示唆したとの報道もあり、緊張が一段と高まった。さらに英国の海事機関は、イラン周辺海域で3隻の船舶が攻撃を受けたと報告している。
ホルムズ海峡は世界有数のエネルギー輸送ルートであり、地域の不安定化は原油供給への懸念を招く。こうした状況が原油市場の価格上昇につながり、為替市場でもドル買いを後押しした。
地政学リスクの高まりが金融市場全体に影響を及ぼす形となった。

トリプル安の展開で市場に動揺

為替市場だけでなく、東京市場では株式と債券も売られる展開となった。日経平均株価は572円41銭下落し、5万4452円96銭で取引を終えた。
また国債市場では、新発10年国債利回りが2.180%まで上昇した。金利上昇は国債価格の下落を意味し、株式・債券・通貨のすべてが弱含む「トリプル安」の状態となった。
政府がガソリン補助金を再開すると発表したことに伴い、財政への負担増を懸念する見方も市場で広がった。

為替介入警戒で円相場はもみ合い

円安が159円台に接近したことで、市場では政府・日銀による為替介入への警戒感も浮上した。過去に当局が為替動向を確認する「レートチェック」を行った水準に近づいたことが意識された。
このため、円の安値圏では輸出企業などの実需によるドル売りも見られ、売り一辺倒の動きにはならなかった。
市場関係者によると、円相場は安値圏で売り買いが交錯し、方向感を探る取引が続いたという。

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