大手企業で賃上げ相次ぐ トヨタは満額維持も業種で明暗

市原 陽葵
经过
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2026年春闘で賃上げ率5〜7%台が主流に

2026年の春季労使交渉では、大企業を中心に賃上げの動きが広がった。集中回答日には多くの企業が賃金引き上げを表明し、賃上げ率は5〜7%台に達するケースが目立った。物価上昇に対応するための賃上げが重視され、従業員の生活支援と人材確保の両面で企業の対応が進んだ。こうした流れは経済全体にも影響を及ぼすとされる。

トヨタの賃上げ額は最大2万1580円

トヨタ自動車は労働組合の要求に応じ、月額最大2万1580円の賃上げを実施する方針を示した。定期昇給とベースアップを組み合わせた形で、職種や評価に応じた幅のある賃金改善を行う。6年連続で満額回答となり、同社が安定的な賃上げを続けていることが明らかになった。企業の賃金政策として注目される結果となった。

一時金支給は高水準ながら前年を下回る

ボーナスは7.3カ月分とし、組合要求に沿った内容となった。ただし前年の過去最高水準からは0.3カ月分減少している。企業側は収益状況と将来の不確実性を踏まえた判断とみられる。賃上げを維持しながらも慎重な配分が行われた点が特徴となった。

電機大手や自動車各社も賃上げを実施

電機業界では日立製作所、パナソニックホールディングス、三菱電機、NECがいずれも満額回答を行い、月額1万8000円の賃上げを決めた。三菱電機では昇給を含めた総収入の伸びが平均7%程度となる見込みだ。自動車分野でもホンダが1万8500円の要求を受け入れ、業界全体で賃上げの流れが広がっている。

鉄鋼業界では賃上げ抑制の動きが顕在化

一方、鉄鋼業界では厳しい市場環境を背景に賃上げが抑制された。神戸製鋼所は1万3000円、日本製鉄は1万円、JFEスチールは7000円にとどまり、いずれも要求額に届かなかった。安価な輸入製品の影響が収益を圧迫しており、業界の対応は分かれた。春闘結果は企業ごとの競争環境の違いを反映した形となった。

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