インドネシアで未成年SNS禁止制度が始動し各国の規制議論に影響広がる

河本 尚真
经过

子どものネット利用制限が正式開始

インドネシア政府は2026年3月28日、16歳未満の子どもによるSNSアカウントの保有を禁止する新制度を施行した。子どもがオンライン環境で直面する危険を軽減することを目的としており、国内でのデジタル利用のあり方に大きな転換をもたらす措置となる。
政府は、交流サイトや動画共有サービスを「高いリスクを伴う領域」と位置づけ、未成年者が自由に利用することによる影響を重視している。今回の制度は、年齢基準を明確に設定した点で、従来の自主的な利用管理とは異なる特徴を持つ。
こうした動きは、子どものインターネット利用を巡る議論が世界的に活発化する中で実施されたものであり、国内外の関係者から注目を集めている。

企業側に年齢確認と停止義務

新制度では、SNSや動画共有サービスを提供する企業に対し、年齢確認の仕組みを導入することが義務付けられた。対象年齢に満たない利用者がアカウントを保有している場合、速やかな停止措置が求められる。
企業が必要な対応を取らない場合には、罰金のほか、通信接続の制限などの行政措置が科される可能性がある。このため、各サービス事業者は新たな対応体制の整備を急いでいる。
SNS大手の一部は、政府の決定に従う姿勢を示しつつも、制度導入に伴う技術的・運用上の課題についても言及している。

保護者支持と子どもの戸惑い

制度の導入については、家庭内でも意見が分かれている。子どもがスマートフォンを使い続ける状況を管理することの難しさから、保護者の間では一定の支持が見られている。
一方、若年層の中には、動画投稿や交流の機会が制限されることに対する不満も表明されている。SNSは娯楽だけでなく、情報収集や学習の手段として利用されているため、制限が生活に影響するとの声もある。
このように、家庭や学校の現場では、新制度が子どもの日常にどのような変化をもたらすかが注視されている。

国際的に広がる利用規制の流れ

未成年のSNS利用を巡る規制は、インドネシアに限られた動きではない。オーストラリアでは2025年12月、16歳未満の利用を禁止する法律が国家レベルで施行された。
さらに、欧州の複数国やマレーシアなどでも同様の制度導入に向けた検討が進められている。こうした背景には、オンライン上での有害情報や依存の問題が深刻化しているとの認識がある。
各国政府は、子どもの安全確保とデジタル活用のバランスをどのように取るかという課題に直面している。

新制度がもたらす社会的議論

今回の規制は、教育や家庭環境にも影響を及ぼす政策として位置づけられている。子どものデジタル利用を巡る責任が、企業と家庭の双方に求められる形となった。
また、知識へのアクセス機会を制限する可能性についても議論が生じている。教育現場では、オンラインを活用した学習との関係が今後の焦点となる。
制度の運用が進む中で、社会全体での評価や改善の必要性が引き続き検討される見通しである。

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