架空取引発覚でKDDIが処分決定、売上水増し問題の全容判明

浅川 涼花
经过

子会社の不正取引問題が表面化

通信大手KDDIは3月31日、グループ会社の広告代理事業を巡る不正行為に関する調査結果を明らかにした。問題が確認されたのは子会社ビッグローブと、その関連会社ジー・プランである。両社の事業において実体のない取引が繰り返され、長期間にわたり売上が過大に計上されていた。調査は外部の弁護士などによる特別委員会が担当し、不正の規模や経緯の把握が進められた。結果として、複数年にわたり不適切な取引が継続していた実態が判明した。

売上2461億円の過大計上が判明

報告によると、不正による売上の水増し額は累計2461億円に達した。広告代理事業の売上の大部分が架空の内容で構成されていたとされ、割合は約99.7%に及んでいた。この不正の影響により、同社の純利益にも大きな影響が生じる見通しとなった。財務数値の信頼性に関わる問題として、企業運営における重大な課題として受け止められている。

外部支払い329億円の資金の流れが判明

調査では、架空取引に伴い329億円が外部の広告代理店に支払われていたことも確認された。これらの代理店は取引の不正性を認識していなかったと説明されている。関係した社員は、代理店同士の接触を避けるなど、発覚を防ぐための手続きを整えていた。契約書や請求書などの書類も整備されており、通常の取引に見える体裁が取られていたとされる。

関係者処分と経営責任の明確化

不正に直接関わった社員2人は懲戒解雇処分となった。また、関連会社2社の社長を含む役員6人が辞任した。さらに、KDDI本体でも経営責任が問われ、松田浩路社長を含む役員8人が報酬の一部を自主返納する措置が決定された。社長は会見で謝罪し、問題の重大性を認識している姿勢を示した。

管理手続きの厳格化による再発防止

調査委員会は、不正の背景として業務の属人化があったと指摘した。特定の担当者に業務が集中していたことが、不正の長期化につながったとされる。再発防止策として、取引先の適格性確認の徹底や、不正を早期に察知する仕組みの整備が提案された。KDDIは刑事告訴や損害賠償請求の検討も進めており、信頼回復に向けた対応が続く見通しである。

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