金属線の損傷が示した原発監視装置の課題と対応

市原 陽葵
经过

原発監視装置異常の発生状況を整理

宮城県の女川原子力発電所2号機では、2025年に監視装置の数値異常が続けて発生した。異常が確認されたのは格納容器内などに設置された水素濃度検出器2台であり、通常とは異なる数値が表示されたことが発端となった。
重大事故が起きていない状況にもかかわらず異常が確認されたため、東北電力は原因究明に着手し、設備の信頼性の確認を進めた。

検出器内部構造に生じた損傷の特徴

調査では、検出器内部の測定用金属線に細かな割れが確認された。この金属線は水素濃度の変化に応じて反応し、測定値を出力する重要な役割を担う部材である。
割れが進行した結果、表面を保護する被膜が剝離し、内部の金属が酸化しやすい状態となった。この変化が測定の正確性を損ない、異常値の発生につながったと説明されている。

温度変化の繰り返しが損傷を招いた経緯

不具合の要因として挙げられたのが、製造段階および試験工程で行われた加熱と冷却の繰り返しである。温度差により金属が伸び縮みすることで、表面に微細な損傷が生じた。
この損傷が長期間の使用の中で拡大し、測定機能に影響を及ぼしたとされる。設備の安全性を支える装置であるため、こうした影響の評価は重要な検討事項となった。

異常発覚後の運転停止と設備更新の流れ

異常が判明した際には、原子炉の運転を停止する措置が取られた。安全を最優先とする対応として、該当する検出器だけでなく、関連する装置の点検と交換が実施された。
その後、すべての検出器が新しい装置へ取り替えられ、正常な測定が可能な状態に戻された。これらの対応により、監視体制の維持が図られた。

改良型検出器導入による再発防止方針

東北電力は、今回の事例を踏まえた改善策として製造手順の見直しを進めている。具体的には、被膜の耐久性を高めるための品質向上が図られる。
また、試験時の温度変化の条件を調整し、部材に過度な負荷がかからないよう工程を変更する計画である。今後は改良を施した装置を導入し、監視機能の安定性向上が図られる。

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