
過去最高の価格上昇率を記録した港区
東京都心部の不動産市場において、港区が他区を凌ぐ価格上昇を遂げたことが判明した。2016年から2025年にかけて、港区の平均㎡単価は106.4%上昇し、23区中で最も大きな伸び幅を記録した。この結果は、大規模再開発や地域特性の高さが価格形成に大きく影響している実態を示している。
東京全体と比較しても際立つ上昇幅
2025年3月時点で東京都全体のマンション平均単価は99万円であり、2016年と比べて約59.8%上昇した。一方、23区平均は64%の上昇にとどまり、港区の上昇幅が突出していることが分かる。都心回帰や利便性重視のニーズが、高価格帯のエリアに影響を与えた。
再開発と湾岸エリアの整備が影響
港区におけるマンション価格の上昇は、虎ノ門ヒルズや麻布台ヒルズといった大型開発に加え、湾岸エリアの人気拡大が要因とされる。眺望や開放感を重視するファミリー層からの支持も高く、立地に加えて街全体の魅力向上が価格を押し上げた。
個別物件でも大幅な価格変動
湾岸を代表するタワーマンション「シティタワー麻布十番」では、2016年から2025年にかけて㎡単価が187万円から466万円へと上昇し、実に148.7%の上昇率となった。このような事例は、港区全体の市場活況を象徴している。
地域別の比較が今後の鍵に
今回の調査では、エリアごとの差異が明確に可視化された。港区や千代田区などは大幅な上昇を示す一方、葛飾区や足立区などでは緩やかな動きにとどまっている。今後の不動産戦略においては、エリアごとの特性把握が不可欠となる。