13連騰後の反落、TOPIXは14営業日ぶりの下落
2025年5月14日、東証株価指数(TOPIX)は前日比8.85ポイント安の2,763.29と、14営業日ぶりに反落した。これまでの13連騰は約15年9カ月ぶりの記録的な上昇だったが、短期的な過熱感や円高進行により、調整局面に入った。
海外投資家の買い越しが連騰を支えるも、材料不足で一服
TOPIXの上昇は、海外投資家の継続的な資金流入が後押しした。4月初旬以降、5週連続で累計1兆5,924億円の現物株買い越しが記録され、日本株への評価が改めて高まっていた。しかし、業績の先行き不透明感が意識される中、為替が円高に振れたこともあり、上昇の勢いにはブレーキがかかった。
業種別では銀行や証券が上昇、輸送用機器や医薬品は下落
東証33業種のうち、金融や鉱業関連が買われる一方で、自動車や医薬品、精密機器といった製造・輸出系の業種が売られた。とりわけ、トヨタ自動車や第一三共といった主力銘柄が下落し、指数全体の重荷となった。
市場は新たな材料待ち、企業決算や為替動向に注目
今後の相場の方向性については、企業の決算内容と為替の動向が大きな鍵を握るとみられている。TOPIX構成企業の2026年3月期純利益は、前年同期と比べて6.3%の減益が予想されており、市場の上値追いを抑制する材料とされている。米中間の貿易摩擦が後退した点は支援材料とされるが、さらなる相場の上昇には新たなポジティブ要因の出現が求められる。
調整局面入りも下値は堅い、次の上昇には新材料が必要
市場は短期的な調整局面に入ったものの、下値は堅いとの見方がある。米中貿易摩擦の懸念が後退し、企業業績の底堅さが下支えとなっている。しかし、次の上昇には新たな好材料が必要であり、企業決算や為替動向などのファンダメンタルズに基づく材料が注目される。