フーシ派対策中のドイツ偵察機が照射被害
紅海を飛行していたドイツの偵察機に対し、同海域を航行していた中国の軍艦からレーザーが照射されていたことが明らかになった。この偵察機はEUの軍事行動「ASPIDES」に従事しており、イエメンのフーシ派による商船攻撃に備えて警戒活動を行っていた。
ドイツ外務省が即日対応、外交ルートで抗議
7月8日、ドイツ外務省は中国軍による照射行為を公表し、駐独中国大使を直ちに召喚して正式に抗議した。声明では「ドイツ人員の安全を脅かす行動は断じて受け入れられない」と強く批判し、中国の行為を無通告の敵対的行動と捉える可能性があると示唆した。
ドイツ機は無事着陸、作戦は継続中
影響を受けた独機は任務を中断し、安全のためジブチ基地へ帰還したが、損傷や負傷者は出ていない。事後、EU作戦「ASPIDES」は中断なく継続されており、各国の連携は維持されている。今後の飛行作戦ではさらなる警戒措置が講じられる見通し。
欧州と中国の軍事的隔たりが鮮明に
今回のレーザー照射は、単なる偶発的事件ではなく、欧中間の戦略的緊張の現れとして捉えられている。中国は安保・通商両面で欧州と対立を深めており、外相の歴訪直後という時期的背景も注目されている。外交対話による解決が急務とされる。
中国政府は沈黙、説明責任が問われる展開に
これまでのところ、中国政府は公式なコメントを発表していない。国際海域での行動であったことから、説明責任が国際社会から求められるのは必至だ。ドイツを含むEU諸国がどのような対応策を講じるかが次なる焦点となる。