ザッカーバーグ氏、AI覇権に向けた次なる布石を発表

市原 陽葵
经过
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巨額インフラ投資でAI開発の基盤を強化

米メタ・プラットフォームズのザッカーバーグCEOが、人工知能(AI)事業の拡張に向けて数千億ドル規模の新投資計画を発表した。これは、同社が推進する「スーパーインテリジェンス」構想を支えるために、専用の演算施設を整備する内容で、複数のAIデータセンターが建設対象となる。投稿は7月14日に公式SNS上で公開された。

AI演算能力の大幅増強に向けた施設計画

最初の施設「プロメテウス」は2026年に稼働を予定し、続く「ハイペリオン」は最大5GWの電力容量までスケーリング可能な構造を採用している。これにより、AIモデルのトレーニングや運用に必要な大規模な演算処理が、同社独自の環境下で行えるようになる。

「人間を超える知性」への挑戦を明言

ザッカーバーグ氏は、今回の計画がAGI(汎用人工知能)の開発を目的としたものであることも明示。既に専門研究チームの立ち上げを進めており、メタは単なるツール提供企業ではなく、AIの構造そのものに関与する立場へとシフトしようとしている。

競争環境の中で主導権を握る狙い

今回の取り組みは、汎用人工知能(AGI)の実現を前提とした構想に基づいており、メタはすでに専任の専門家チームを組織している。ザッカーバーグ氏は「スーパーインテリジェンス」の構築が人間の知能を超える技術の礎になると強調しており、背後にはAI業界における覇権の確立を見据えた明確な狙いがある。

大規模計画がもたらす波及効果

数千億ドルという投資規模は、関連分野にも広範な影響を与える。電力需要の急増や、冷却・電源供給システムの高度化が今後の課題となる見通し。また、地方自治体や電力会社との連携も欠かせず、AI開発と社会インフラの融合という新たな局面が生まれることになる。

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