一律関税導入で30%案を回避
米国とEUは、貿易摩擦の拡大を避けるため関税交渉で合意し、自動車を含む輸入品に一律15%の関税を導入することで一致した。トランプ大統領が当初表明していた30%案の半分に抑えられたことで、世界貿易の安定が確保されたとされる。
エネルギー購入と対米投資を約束
EUは合意の一環として、今後3年間で米国から7500億ドル相当のエネルギーを調達することに加え、6000億ドル規模の投資を行う。米国側はこれによりエネルギー輸出拡大や防衛装備品の販売増加を見込み、経済関係の強化に期待を寄せている。
鉄鋼・アルミ関税は50%維持
今回の合意では鉄鋼とアルミニウムについては例外とされ、50%の高関税が引き続き適用される。ただし、一定量に対する関税引き下げや将来的な割当制度導入の可能性が示唆された。EUはこの分野で協議を続ける意向を示している。
航空機や半導体はゼロ関税対象
関税合意では、航空機やその部品、半導体、農産物など戦略的な品目の一部が相互にゼロ関税の対象とされた。これにより、航空産業や先端技術分野での取引拡大が期待される。
フォンデアライエン委員長は「この合意は安定と予測可能性をもたらす」と評価した。両経済圏間の協定は世界経済への不安定要因を和らげるものとされ、日本政府も経済リスク低下につながるとコメントしている。