シマノ、純利益60%減へ 中国需要減速が響く

浅川 涼花
经过
読了目安: 5 分

中国市場での販売鈍化が業績を圧迫

シマノは2025年12月期の純利益予想を前年比60%減の305億円と発表した。中国市場におけるロードバイク需要の落ち込みで部品販売が4割縮小し、過剰在庫の解消が進まない状況も重なり、収益に影響を及ぼしている。

営業利益29.3%減に下方修正

同社は営業利益を460億円とし、従来の700億円から引き下げた結果、前年から29.3%減になるとした。中国での在庫圧力と生産縮小による稼働率の低下が要因で、売上高はわずか2%増の4600億円にとどまるとしている。

為替差損とコスト増が減益要因

1〜6月期の為替差損は216億円に達し、通期予想にも反映された。東南アジア通貨の円高傾向に加え、マレーシアでの最低賃金引き上げが生産コストを押し上げている。シンガポールなど海外工場でも人件費上昇が利益を圧迫した。

配当は据え置き、株主還元は維持

年間配当は前期から30円増の339円を据え置いた。減益見通しにもかかわらず株主還元を維持する方針が示されたことで、経営の安定性をアピールした格好となる。

グローバル市場環境への対応が課題

欧州市場は一定の需要が続く一方、アジア市場の不振が業績を大きく左右している。シマノは今後、為替やコスト高への対応強化、在庫の適正化など課題への取り組みが求められる状況にある。

この記事をシェア