ドル高と利回り上昇が示す金融市場の注目点

河本 尚真
经过
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米欧貿易合意が市場の安定を後押し

米国とEUは輸入関税を15%に統一することで合意し、貿易摩擦の激化を回避した。合意内容は市場にポジティブに受け止められ、金融市場全体でリスク選好が強まった。これにより、安全資産からリスク資産への資金移動が加速した。

米株市場が連日の最高値更新を記録

この合意を受け、S&P500は6日連続で最高値を更新し、ナスダックも過去最高に到達した。企業決算が相次ぐ中で、投資家は今後の金融政策と景気動向を注視している。トランプ大統領によるFRBへの利下げ圧力も市場の関心を集めている。

為替市場でドル買いが強まる

為替市場ではドルが主要通貨に対して上昇し、ドル/円は148.53円、ユーロ/ドルは1.1591ドルを記録した。米欧合意により市場の不安感が後退し、ドル資産への需要が高まったことが背景にある。

米長期金利が上昇、債券市場に動き

米国債市場では10年債利回りが4.414%、30年債が4.962%に上昇した。これはリスク資産志向が強まったことによる国債売りが要因であり、短期的な金融政策の据え置き見通しが反映されている。

金と原油の価格動向が対照的

金市場では3310.00ドルまで下落し、安全資産需要が後退した。一方、WTI原油は66.71ドルに反発し、米国の対ロ制裁前倒し観測や需要見通しが支えとなった。資源市場は引き続き国際情勢の影響を受けやすい状況にある。

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