外国人ドライバーの事故増加、警察庁が対策強化

小野寺 佳乃
読了目安: 5 分

上半期で死亡・重傷事故が258件に達する

警察庁が公表した統計によると、2025年1~6月に外国人ドライバーが関与した死亡・重傷事故は258件発生した。これは昨年同期比で19件増加し、全体の2.1%を占める過去最高の割合となった。訪日客や在留外国人の増加が背景にあるとされる。

免許保持状況、日本の免許が多数派

死亡・重傷事故を起こした外国人ドライバーの84.5%は日本の免許を持っていた。この割合には、自国免許を日本の免許に切り替えた「外免切り替え」も含まれる。また、国際免許の使用は6.2%、外国免許のみは1.9%にとどまり、運転資格は認められているものの交通ルールの浸透不足が課題となっている。

韓国・中国出身者が最多、次いでベトナム

国籍別では、韓国・朝鮮と中国が各51件で最多となり、ベトナムが31件、ブラジル25件、フィリピン17件と続いた。これらの国は在留人口の多さでも上位にあり、統計結果は在留構成比との関連を示している。

外免切り替え手続き厳格化の方針

警察庁は10月から外免切り替えに関する制度改正を予定している。住所確認のための住民票提出義務や、交通ルール試験の問題数増加が盛り込まれており、外国人ドライバーの交通法規遵守を徹底させる狙いだ。

電動キックボードやながら運転も課題に

ながら運転による事故は68件で過去最多を記録した。さらに、電動キックボードでは飲酒運転が17.8%を占め、原付や自転車の20倍以上に達した。新たな交通手段の普及に伴い、安全対策の強化が急務となっている。

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