本土とシチリアを結ぶ巨大橋の建設が決定
イタリア政府は6日、本土とシチリア島を結ぶ「メッシナ海峡大橋」の建設を正式承認した。この橋は道路と鉄道を併用する形式で、完成すれば世界で最も長いつり橋となる。工事は2025年中に開始され、7年間の工期を経て2032〜33年ごろの完成を見込む。
受注総額1.8兆円規模の事業内容を公表
事業主体となるのはウィビルドを中心とする特別目的会社ユーロリンクで、IHIを含む5社が参画する。契約総額は106億ユーロ(約1.8兆円)に達し、海峡を横断する橋梁に加えて接続道路や鉄道整備も進められる。
世界最高水準の橋梁構造が採用される見通し
計画によると、中央径間は3300メートル、幅は60メートル、主塔の高さは399メートルに設定される。これにより、現在最長のチャナッカレ1915橋を超え、世界最長記録を更新する見通しだ。設計には地震対策や強風への備えが盛り込まれている。
メローニ政権の政策が推進力に
過去に複数回中止された本計画は、メローニ政権下で再び進展した。2023年に事業再開手続きが進められ、今回の承認によって本格的に着工準備が整う。大型インフラ投資による経済刺激策として位置づけられている。
地域発展と懸念事項の両面が指摘される
サルビーニ副首相は「南部とシチリアの発展を促す」と述べ、雇用創出や物流効率化への期待を示した。しかし、安全面や環境負荷への懸念が依然残ることから、監督機関による厳格な評価と管理が不可欠とされる。