SOMPO、米アスペン買収で海外事業を拡大

小野寺 佳乃
読了目安: 5 分

米保険市場への本格進出が明らかに

損害保険大手のSOMPOホールディングスは、米国のアスペン・インシュアランス・ホールディングスを約34億8000万ドル(約5200億円)で買収することで合意した。世界最大の保険市場である米国での事業基盤を拡充し、収益力を高める狙いがある。

アスペンの事業領域と強みが判明

2002年に設立されたアスペンは、サイバー攻撃補償や役員賠償責任保険など高い専門性を持つ商品に強みを有している。加えて再保険事業でも実績を積み上げており、SOMPOの事業ポートフォリオ拡大に大きく寄与する見通しだ。

買収資金の活用方法を発表

資金調達には政策保有株の売却益や手元資金が充てられる。SOMPOは近年、政策保有株式の圧縮を進めており、その売却益を新規投資へ振り向けることが課題となっていた。今回の買収は、その具体的な活用策の一つと位置付けられる。

アポロからの株式取得の詳細

アスペン株の過半を保有するアポロ・グローバル・マネジメントなどから全株式を取得する。手続きは2026年前半に完了予定であり、SOMPOは世界規模での競争力強化を一段と加速させる。

経営トップが成長戦略を強調

奥村幹夫CEOは、「グループの持続的成長を加速させる」とコメントを発表。今回の買収は単なる規模拡大にとどまらず、国際保険市場における存在感を高める重要な戦略の一環となっている。

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