日本発キャッシュレス決済の新たな一歩が判明
通信大手ソフトバンク傘下のPayPayは、日本国外でのサービス展開を正式に発表した。開始地点は韓国で、9月下旬より利用可能となる。国内で急速に普及した同サービスが、初めて国境を越えて提供されることになる。
韓国で約200万店舗が利用対象と判明
PayPayが利用できるのは、アリペイプラス加盟店および韓国政府が推進するゼロペイ対応店で、対象は約200万店舗に及ぶ。クレジットカードが使えない屋台なども含まれ、観光客にとって利便性の高い環境が整う見通しだ。
自動切替と為替表示の新機能が発表
入国すると自動的に「韓国モード」へ切り替わり、現地通貨と日本円が同時に表示される仕組みが導入される。為替レートには3.85%の海外事務手数料が加算される仕様となり、透明性の高い取引が可能となる。
国内最大手の規模が海外展開に影響
PayPayは2018年に開始して以来、国内登録者数が6900万人を突破し、24年度の取扱高は15.4兆円に到達。コード決済市場で約3分の2のシェアを誇る。こうした規模の大きさは、海外企業との連携交渉を優位に進める要素となっている。
世界展開への布石とIPOの影響
PayPayは米国での新規株式公開(IPO)の準備を進めており、今回の韓国展開は国際市場への本格進出に向けた試金石と位置づけられる。今後も利用可能国の拡大を検討し、国際的な存在感を強めていく構えだ。