投資会社が中国EV大手から完全撤退
米投資会社バークシャー・ハサウェイが、中国の電気自動車メーカーBYDの株式を全て手放したことが明らかになった。2008年の初投資以来、約17年間にわたって続いた関係がここで区切りを迎えた。米証券当局に提出された資料によれば、今年3月末時点で保有株式はゼロとなっていた。
2008年の投資から急成長が判明
ウォーレン・バフェット氏は2008年、BYD株の10%に当たる約2億2,500万株を2億3千万ドルで取得した。当時は中国市場でも新興の存在だったBYDはその後急成長し、株価は20倍以上に上昇。投資額は一時90億ドル規模へと膨らんだ。
売却プロセスと市場への影響
バークシャーは2022年から段階的に株式を売却してきた。今回の完全撤退は、市場に強いインパクトを与える可能性がある。特にEVセクターは世界的に注目を集めており、バフェット氏の判断は投資家にとって一つのシグナルとなり得る。
地政学的リスクとの関連が指摘
公式な理由は示されていないが、米中関係の悪化や台湾情勢が背景にあるとの見方が広がる。バークシャーは同時期に台湾積体電路製造(TSMC)株もほぼ全て手放しており、中国関連資産への警戒姿勢が鮮明となった。
BYDの反応と17年の投資支援
BYDの広報責任者はSNSを通じて、バークシャーの「過去17年間の投資と支援」に感謝を表明した。中国企業にとっても象徴的な外資支援の終わりとなり、今後は独自路線での成長を模索する局面を迎える。