金価格が国内市場で2万円突破、過去最高を更新

浅川 涼花
经过
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国内販売価格が初めて2万円台に到達

国内の金の小売価格が29日、初めて1グラムあたり2万円を超えた。大手の田中貴金属工業は午前に2万18円、午後には2万133円へと価格を設定し、過去最高を更新した。9月初めに1万8000円台を突破して以降、わずか1か月で2000円以上の急騰となった。

米国の利下げ再開が価格押し上げに寄与

背景の一因となっているのがFRBの利下げ再開だ。金は利息を生まない資産であるため、基軸通貨である米ドルの金利低下が相対的な投資魅力を高め、需要を後押ししている。市場関係者の間では、米国の金融政策が引き続き金相場の上昇を支えるとの見方が広がっている。

地政学リスクが安全資産需要を強化

価格高騰には地政学的要因も大きく作用している。停戦の見通しが立たないウクライナ情勢に加え、イラン核合意違反を理由とした国連制裁再発動が中東情勢を不安定化させている。こうした状況の中で、米国と緊張関係にある国々の中央銀行は米国債から金への資産シフトを進めている。

国内外市場での最高値圏推移が確認

国内市場にとどまらず、大阪取引所の先物取引においても、29日午後には「来年8月もの」の金先物価格が1万8447円に達し、今月26日の最高値を上回った。国際市場でも金先物価格は最高値圏での推移を続け、世界的に投資資金が流れ込んでいる。

年内にさらなる高値到達の可能性

専門家の分析によれば、米国の利下げが継続され、地政学リスクが緩和しない場合、年内に1グラム=2万2000円に到達する可能性もある。金は安全資産としての評価を維持しており、今後も市場の注目が集中するとみられる。

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