英マンチェスターの礼拝所で襲撃、犠牲者と警備強化の動き

小野寺 佳乃
読了目安: 5 分

ユダヤ教徒の集会を狙った攻撃が発生

マンチェスター・クランプソール地区のシナゴーグで2日午前、車両突入と刃物による襲撃事件が起きた。警察は2人の死亡と3人の重傷を確認し、容疑者の男も現場で射殺された。発生時刻はヨム・キプルの祈りが始まる直後で、会堂には多数の信者が集まっていた。

事件の経緯と警察の対応が明らかに

通報直後、警察は現場に急行し、9時38分に容疑者に対して発砲した。映像には、警官が「爆弾を持っている、離れろ」と叫ぶ場面が残されており、市民の安全確保が最優先とされた。容疑者の身には銀色の物体が確認され、爆発物の可能性も調査中である。

国内外の指導者が声明を発表

スターマー首相は「この日を狙った襲撃はなおさら恐ろしい」と表明し、予定を切り上げてデンマークから帰国することを決めた。首相はCOBRA会議を招集する見通しで、治安強化策が協議される。さらに、チャールズ国王も声明を発表し、信徒への連帯を強調した。

宗教行事と治安リスクが浮き彫りに

ユダヤ教のヨム・キプルは断食と祈りに捧げられる日で、普段礼拝所を訪れない信徒も集まるため、警備が必要とされる。今回の事件は、過去にドイツ・ハレで起きた同様の襲撃と重なり、宗教施設が狙われやすい現実を突きつけた。

捜査と警戒強化の影響が広がる

グレーター・マンチェスター警察はテロ事件と断定し、2人の容疑者を拘束して捜査を進めている。イギリス全土ではシナゴーグを含む宗教施設に追加の警官が配置され、警戒態勢が高められた。市民には現場に近づかないよう呼びかけが続いている。

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