AI銘柄が上昇を主導、投資家心理を押し上げ
6日のニューヨーク株式市場では、S&P500とナスダック総合指数が終値で史上最高値を更新した。主導したのはAI関連株で、特にAMDがオープンAIと複数年契約を結んだことが材料視され、一時37%高を記録した。この契約により、AMDはAI向け半導体市場でエヌビディアに続く主要サプライヤーとしての地位を確立しつつある。
高値警戒感強まり、ダウ平均が下落に転じる
一方で、ダウ平均株価は前週まで4日連続で最高値を更新していたが、短期的な過熱感から85ドル安の4万6672ドル89セントで推移した。高値警戒感が広がり、ホーム・デポやビザなど主力株の一角に利益確定売りが出た。マイクロソフトやIBMは上昇したが、エヌビディアやセールスフォースなどのハイテク株は軟調に推移した。
為替市場では円安進行が顕著
外国為替市場では、ドル円が150.2円まで上昇し、8月以来の高値を付けた。ユーロ円は176.25円と、ユーロ導入以来の最高値を更新。背景には、日本での財政拡張政策への期待と、フランスの内閣総辞職による政治不安があるとみられる。これにより、ドルと円の金利差が意識され、円売りが優勢となった。
債券利回り上昇、金と原油も堅調
米国債市場では、10年債利回りが4.166%、30年債利回りが4.761%と小幅に上昇。米政府機関の閉鎖が続くなかでも投資家のリスク選好は衰えず、代替資産としての金は1オンス=3976.30ドルまで上昇して史上最高値を更新した。原油価格も続伸し、WTI先物が1バレル=61.69ドルとなった。
投資家心理はAI期待と政策動向に左右
市場では「高市トレード」と呼ばれる、日本の財政拡張策を見込んだ動きが再び意識されている。米国ではFRBの利下げ観測が続くなか、AI関連投資への資金流入が拡大。投資家は引き続き、金融政策とテクノロジーの成長性を見極めながら動いている。