浜岡1号機で原子炉解体開始、国内で2例目

嶋田 拓磨
经过
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浜岡原発1号機で原子炉解体が始動

中部電力は7日、静岡県御前崎市にある浜岡原子力発電所1号機で原子炉の解体撤去作業に着手した。商業用原発としては浜岡2号機に続き国内で2例目の原子炉解体となる。今回の作業は廃炉全体の4段階のうち第3段階に当たり、放射線量の高い原子炉本体や格納容器を対象とする。

第3段階の工程と作業の進捗状況

中部電力は、まず原子炉圧力容器の上部を取り外し、帯状の刃を回転させる専用工具で切断する工程を進めている。12月までに圧力容器の上蓋の解体を終える予定で、今後は圧力容器本体および格納容器の撤去を本格化させる見通しだ。
使用済み燃料はすでに取り出されており、放射性廃棄物の保管場所を整備したうえで作業が継続される。

廃炉完了の見通しと長期スケジュール

中部電力によると、2035年度までに原子炉解体を完了させる計画であり、その後は建屋の撤去などを経て2042年度に全工程を完了させる予定だ。廃炉作業は段階的に進められ、工程全体が安全基準に基づいて進行している。
今回の解体作業では、浜岡2号機で得られた知見や技術的ノウハウが活用され、作業効率と安全性の向上が図られている。

規制委員会の認可と先行事例

原子力規制委員会は2024年12月に浜岡1・2号機の第3段階移行を認可しており、これにより中部電力は正式に解体作業を開始できた。先行して行われた浜岡2号機の解体で得られたデータや管理手法が今回の1号機作業に生かされている。
こうした段階的な対応は、国内の原発廃炉モデルの一つとされている。

運転終了から16年、廃炉への道筋

浜岡1号機は1976年に運転を開始し、2009年に停止した。2008年の廃炉決定以降、約16年を経て本格的な原子炉解体に至った。中部電力は引き続き、地域社会への安全情報の発信と環境への配慮を重視した対応を進めるとしている。

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