セブン&アイ、国内低迷で下方修正 再成長へ試練

市原 陽葵
经过
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売上減も純利益は反発、再編効果が顕在化

セブン&アイ・ホールディングスが発表した2025年3〜8月期連結決算では、純利益が1218億円と前年同期比で2.3倍に達した。グループ再編による特別損失の解消と不動産売却益が業績を押し上げた一方、売上高は5兆6166億円で6.9%減と減収となった。総合小売から脱し、収益性の高いコンビニ事業への集中が進む。

国内店舗の伸び鈍化、物価高が重しに

主力の国内コンビニ部門は、営業利益が前年同期比4.6%減と振るわなかった。原材料や人件費の上昇に加え、消費者の節約意識が強まったことが響いた。海外部門の増益では補えず、国内の停滞がグループ全体の足かせとなっている。

通期予想を下方修正、慎重な見通し

同社は2026年2月期の通期業績見通しを引き下げた。営業利益は4040億円、売上高は10兆5600億円を見込む。従来より減益見通しに転じ、国内需要の回復遅れが反映された。経常利益も3660億円へ下方修正された。

「単独成長」への道、社長が戦略を説明

会見でスティーブン・デイカス社長は「改革の初期成果が見え始めている」と述べ、セブン-イレブンを中心とした自律的成長戦略の継続を強調した。スーパー事業やセブン銀行を切り離し、海外展開と商品開発を軸に収益改善を狙う。

株価は停滞、投資家の視線は成果へ

株価は1980円台で推移し、買収提案時の2600円を大きく下回っている。日経平均が史上最高値を更新する中でも上値は重く、改革効果が実際の利益に結びつくかが焦点となる。成果が見えなければ、物言う株主の影響力が再び強まりかねない。

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