インファンティノ会長、イスラエル予選で冷静求む ガザ和平進展を評価

小野寺 佳乃
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ローマで語られた平和への期待

ジャンニ・インファンティノFIFA会長は9日、ローマで開かれた記者会見で、イスラエルとイスラム組織ハマスがガザ地区を巡る和平計画の第1段階に合意したことを「世界中が喜ぶべき出来事」と述べた。和平プロセスを国際的に支持するよう呼びかけ、サッカーが平和を促進する象徴となるべきだとの見方を示した。

イスラエル代表への抗議活動が拡大

イスラエル代表は2026年W杯欧州予選で、ノルウェー戦(11日)とイタリア戦(14日)を控えている。しかし、イタリア国内ではイスラエルの参加に反発する抗議デモが広がっており、治安当局は警戒を強めている。インファンティノ会長は「サッカーの場を対立の舞台にしてはならない」と訴え、冷静な対応を求めた。

スポーツの中立性を守るFIFAの立場

FIFAは一貫して政治的中立を掲げる国際機関として、紛争地域をめぐる問題にも慎重に対応してきた。会長は「私たちの使命は分断を超えて人々を結ぶこと」と述べ、ガザ情勢の進展をスポーツの視点から前向きに受け止める姿勢を示した。

開催時期を巡る課題にも触れる

インファンティノ会長はまた、地球温暖化による猛暑の影響を指摘し、W杯の開催時期についても見直しの必要性を語った。伝統的に夏に実施される大会を「選手や観客の健康を最優先に検討すべき時期に来ている」とし、将来的な柔軟なスケジュール調整を示唆した。

平和とスポーツの調和を訴える

会長は「世界は常に変化し、FIFAもそれに応じて進化しなければならない」と締めくくった。ガザ和平を巡る合意を、サッカーを通じた国際連帯の象徴とし、「スポーツが対話と理解を広げる架け橋となるべきだ」と述べた。

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