太平洋工業、MBOを巡る攻防が激化 エフィッシモが株買い増し

滝本 梨帆
经过
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経営陣によるTOB期限を再延長

自動車部品大手の太平洋工業(岐阜県大垣市)は、経営陣による自社買収(MBO)を目的とした株式公開買い付け(TOB)の期限を10月23日まで延長した。当初は9月8日までの予定だったが、応募状況を踏まえ2度目の延長を決定。買付価格は1株2050円のまま据え置かれている。

株価が買付価格を大きく上回る水準で推移

市場では太平洋工業株がTOB価格を上回る2563円で取引されており、投資家の思惑が交錯している。市場価格が買付額を大きく上回る状況では、応募株主が限定される可能性が高く、MBOの成立可否に不透明感が残る。

エフィッシモが保有比率を12%超に

一方、旧村上ファンド系のエフィッシモ・キャピタル・マネージメントが太平洋工業株を11.47%から12.49%に引き上げたことが判明した。関東財務局に提出された報告書に基づき、株式買い増しが確認された。同社は過去にも上場企業に積極的に関与しており、今回の動きがMBOの行方に影響を及ぼすとの見方も出ている。

経営陣と投資家の思惑が交錯

太平洋工業の経営陣は、株式の非公開化によって中長期的な成長戦略を自由に進める狙いを持つ。一方で、市場では外部投資家による価格上昇を見越した買いが相次ぎ、MBOの成否を左右する駆け引きが続いている。

23日の期限まで注目が続く

買付期限の10月23日まで残りわずかとなり、MBO成立の可否が焦点となる。経営陣の思惑と市場の評価が乖離する中、最終的な株主の判断が結果を決定づけることになる。

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