政策転換と海外資金が支える日本株上昇の新局面

浅川 涼花
经过
読了目安: 7 分

海外投資家の買い越し続く、東証の取引が活況

10月27日、日経平均株価が史上初めて終値で5万円の大台を突破した。背景には、海外投資家による積極的な買い越しと、国内投資家の動きが呼応したことがある。東京証券取引所のデータによれば、海外勢は10月中旬まで3週連続で日本株を買い越しており、プライム市場の売買代金は7兆円を超える日も見られた。27日も先物主導で上昇が続き、市場全体が活況に包まれた。

成長重視への政策転換が投資マインドを刺激

高市早苗首相が率いる新政権は、所信表明演説で「日本成長戦略会議」の創設を打ち出した。従来の分配中心から成長促進へと明確に舵を切る姿勢を示したことが、投資家心理を押し上げたとみられる。政治的安定と経済拡大への明確な方針が確認されたことで、海外資金の流入が加速し、日本株が再び国際的な注目を集めている。

米中摩擦の後退と米利下げ観測が追い風

米中対立の緊張緩和に加え、米国の物価上昇が落ち着きを見せていることから、利下げ継続の観測が広がった。こうした外部環境の改善が、投資家のリスク選好を支え、日本市場への資金移動を促進した。さらに為替相場では円安が進み、輸出関連企業の収益改善期待が高まったことで、ハイテクや製造業を中心に買いが集まった。

国内投資家の動きにも変化、上昇局面に呼応

長らく高値警戒感から静観していた個人投資家の間でも、市場への参加姿勢が変化しつつある。下落局面での買い増しや押し目買いが目立ち、上昇局面を支える動きとなっている。市場関係者の間では「国内勢の資金が加わることで上昇の持続性が高まる」との見方が出ており、取引全体の厚みが増している。

株価の持続上昇に注目、調整警戒も根強く

市場では「5万円台は一つの節目に過ぎない」との声が多い一方で、上昇スピードの速さに対する警戒感もある。高市政権の成長戦略が具体化し、社会保障や財政構造改革が進めば、海外投資家の関心は一段と高まるとみられる。今後は政策の実行力と市場の安定性が、次の上値目標を左右する鍵となりそうだ。

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