上野動物園で続いた繁殖と飼育の歩み
東京都台東区の上野動物園で飼育されてきた双子のジャイアントパンダ、シャオシャオとレイレイは、2021年に園内で誕生した。両親は、2024年9月に中国へ返還されたリーリーとシンシンであり、国内で自然繁殖によって生まれた希少な存在として注目を集めてきた。
上野動物園では1972年の初来日以降、贈与や貸与の形で計15頭のパンダを受け入れており、繁殖研究の拠点としての役割を果たしてきた。
返還期限と東京都の対応経緯
シャオシャオとレイレイの貸与契約は、2026年2月20日を期限としており、東京都は期限延長や新たなパンダの受け入れについて中国側と協議を続けてきた。しかし、期限延長に関して前向きな回答は得られず、都は契約に基づき返還する方向で調整を進めている。
日本生まれのパンダであっても、所有権は中国側にあり、国際的な枠組みに沿った対応が求められている。
国内パンダ史と制度変更の背景
日本でのパンダ飼育は、日中国交正常化を契機に始まった。当初は贈与の形だったが、1984年にワシントン条約で保護区分が厳格化されて以降、繁殖や研究を目的とする貸与制度に移行した。
この制度変更により、日本国内で生まれた個体も含め、すべてのパンダは中国に返還される仕組みとなっている。
国内不在がもたらす社会的影響
今回の返還が実現すれば、日本国内からジャイアントパンダが姿を消すことになる。上野動物園は長年にわたり「パンダのいる動物園」として親しまれてきたため、その象徴的存在を失う影響は小さくない。
過去にも一時的な不在期があり、その際には来園者数が大きく減少したという記録が残っている。
返還後に焦点となる動物園運営の課題
東京都や地元関係者は、今回の返還を受け入れつつも、将来的な新たな貸与の可能性に注目している。返還までの期間、来園者の動向や運営への影響がどのように現れるのかが焦点となる。
上野動物園におけるパンダ飼育の歴史は一度区切りを迎えるが、その先の展開が引き続き注視される。