打ち上げ結果と当日の経過
H3ロケット8号機は22日午前、種子島宇宙センターから発射された。第1段エンジンは正常に燃焼し切り離しにも成功したが、その後の第2段エンジンの燃焼が計画通りに進まなかった。予定では2回に分けて点火する設計だったが、2回目の燃焼がほとんど行われないまま停止した。これにより搭載していた準天頂衛星の軌道投入は達成できなかった。
第2段エンジンの異常確認
JAXAの発表によると、飛行データの解析から第2段エンジンの水素燃料タンク圧力が、燃焼途中で低下していたことが判明している。圧力低下に伴い推力が不足し、計画された速度や高度に到達できなかったと説明された。現時点では詳細な原因は特定されておらず、関連部品や制御系統を含めた調査が進められている。
みちびき5号機への影響
今回搭載された「みちびき5号機」は、高度約3万6000キロの軌道に配置される予定だった。ロケットから分離されたかどうかは確認できていないが、軌道投入に失敗したと判断されている。みちびきは日本版GPSとして、カーナビやスマートフォンの位置情報に活用される重要なインフラであり、計画の遅延は測位サービス体制に影響を及ぼす。
相次ぐ延期と再挑戦の背景
8号機は当初12月7日に打ち上げが予定されていたが、誘導制御装置の不具合が見つかり延期された。さらに17日には、地上設備の設定不備により発射直前で緊急停止する事態も発生していた。これらの調整を経て22日の再打ち上げに臨んだが、結果として再び失敗に終わった。
日本の宇宙開発計画に及ぶ影響
H3は成功率98%を誇ったH2Aの後継機として位置付けられている。H2Aはすでに退役しており、H3の信頼回復は不可欠となっている。JAXAの山川宏理事長は記者会見で謝罪し、原因究明と再発防止に全力を挙げる考えを示した。