途中解約を巡る契約条項の争点
戸建て住宅でLPガスを利用する契約を途中で解約した場合、設備の設置費用を購入者に求められるかが争われた。訴訟では、ガス会社が設定した契約条項の有効性が中心的な論点となった。特に、一定期間内の解約時に費用負担を求める仕組みが適法かどうかが問われた。
設置費用負担の契約内容
問題となった契約では、ガス会社が配管などの設備を負担する代わりに、10年未満で解約した場合は設置費の一部を支払うと定められていた。会社側はこの条項に基づき、途中解約した購入者に対して費用の支払いを求めていた。これに対し、購入者側は不当な請求だとして争った。
消費者契約法が定める違約金の基準
消費者契約法は、契約解除に伴う違約金について、事業者に生じる平均的な損害を超える部分を無効と定めている。最高裁は、当該条項が解約を抑止する目的を持つ違約金に該当すると整理した。その上で、実際に事業者側に損害が発生しているかが検討された。
最高裁が示した判断の根拠
最高裁は、ガス会社の料金体系が契約者全体から設備費を回収する仕組みになっている点を重視した。短期間での解約が一定程度起きることを前提に料金が設定されているため、個別の解約による損害は認められないとした。その結果、条項は無効と判断された。
商慣行への影響と判断の意味
この判断により、従来続いてきた設置費請求の商慣行に一定の歯止めがかかる形となった。最高裁は、事業者側に実質的な損害がない場合、購入者への請求は許されないとの基準を示した。今後の契約実務に影響を与える判断と位置付けられる。