生成AI検索の拡大で浮上する報道利用問題を公取委が検証

小野寺 佳乃
読了目安: 5 分

AI検索普及に伴う新たな課題

生成AIを組み込んだ検索サービスの利用拡大により、情報提供の形態が大きく変化している。こうした中、公正取引委員会は、AIがニュース記事をどのように活用しているかについて検証を始めた。報道コンテンツの扱いを巡る問題が、競争政策の観点から注目されている。

調査の狙いと進め方

公取委は、AI検索事業者やAI開発企業に対する聞き取り調査を行うとともに、報道機関や利用者へのアンケートも実施する予定だ。これにより、記事利用の実態や交渉状況を多角的に把握する狙いがある。調査は国内外の幅広い事業者を対象に進められる。

許諾なき記事利用への懸念

報道機関側からは、AIが記事内容を無断で要約し回答に用いることで、自社の価値が損なわれるとの声が上がっている。AIの回答精度や情報の正確性に課題が残る中、一次情報の提供者である報道機関の役割が軽視される恐れも指摘されている。

競争環境への影響をどう見るか

公取委は、AI検索の仕組みが市場の競争条件にどのような変化をもたらしているかを重視している。巨大IT企業が持つ影響力が、報道ビジネスの持続性に影響を与えていないかを検証することで、公正な競争環境の維持につなげる考えだ。

報告書策定と社会的議論への波及

調査結果は報告書として公表され、今後の議論の基礎資料となる見通しだ。生成AIと報道の関係を巡る問題は、著作権や取引慣行の在り方とも深く関わる。公取委の取り組みは、デジタル時代における情報流通の在り方を考える契機となりそうだ。

この記事をシェア